精度管理の勉強中
 今年度の開発案件に、臨床検査機器の精度管理機能があるので、慌てて勉強中。

 精度管理というのは、検査機器がきちんと正しい結果をだしているかを管理する手法で、臨床検査のほかに工業分野の製品管理にも利用されている(工業分野では「精度管理」ではなく「品質管理」と呼ぶ)。検査機器というのは、必ずしも正しい結果を出す訳ではないので、日々その検査値を管理する必要があるわけです。

 話だけ聞くとメジャーな手法に思えるので、勉強材料にも困らないかと思ったけど、意外に無いですわ、資料が。で、やっとこさ見つけたのが下の本。

 Amazon.co.jp:臨床検査精度管理教本

 今は、この本を読んで勉強してます。それから、ついさっき、品質管理に関する非常に良いサイト(品質管理ホームページ)を見つけたので、こっちも合わせてみていこうと思う。


 以下、話がマニアックになります。

 現在、上の本を読んでるんですが、凄い記述を見つけました。臨床検査で使われている慣用単位についてなんだけど、一部以下に引用。
<単位の名称>「定義」
<Maclagan>「10 mg/dl の蛋白溶液1.0 ml に3 g/dl のスルホサルチル酸溶液3.0 ml を混ぜたときに発生する混濁を1 Maclagan単位とする.」
<Somogyi>「アミラーゼ活性の単位.37℃30分間にデンプン10 mg を加水分解する量を1 Somogyi単位とする.」

 読む人が読めば、卒倒してしまいそうな定義だ(少なくとも1人はディスプレイの前で気絶してるなw)。本当にこんな定義を使ってるんだろうか? ページ数の関係で大事なところは省略した、ということであるのを期待したいが。

 ちなみに、これらの定義の問題点を挙げてみます。

<Maclagan>
  • 「蛋白溶液」のタンパク質は何を指しているのか?きちんと明記しなければいけない。タンパク質は非常に多様な化合物なので、同じ濃度でもタンパク質の種類が違えば、発生する混濁も異なるはず
  • 混濁はどのようにして定量するのか?吸光度を用いるにしても、波長が明記されていないので計りようがない。
  • #そもそも、スルホサリチル酸で定量する方法なんて、初めて聞いた。

<Somogyi>
  • デンプンの種類が明記されていない。可溶性か?不溶性か? また由来となる植物によってもデンプンの構造は大きく異なるので、きちんと決めた方がいい。
  • 「デンプンを加水分解」とはどの程度のことを言うのか?デンプン1分子が一度でも加水分解を受けた状態か?(←そんなもの計れるのか?w)それとも、それ以上加水分解が不可能なまで(マルトースもしくはマルトトリオースまで)分解された状態を指すのか?(というより、Somogyi法は還元力を定量する方法なので、分解の有無などは根本的に計りようがない)
  • 基質(デンプン)の濃度がはっきりしない。飽和しているのか、していないのか。
  • 分解量で活性を定義しているが、測定誤差を考えると、これはやめた方がいい。100→95 は、測定誤差5%で考えると、95〜105→90.25〜99.75 を意味する。つまり、全く値の変化していないものを、値が変化したと勘違いしてしまう可能性がある(そうでなくとも、絶対的な誤差が大きい)。定量するなら生成物の量にするべき。

  • 6/3 追記
     見返してみたら、pHとバッファーが抜けてるな。やっぱり2年も実験から遠ざかると、鈍るもんだ。

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by fkmn | 2006-05-24 23:55 | 日記
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