"今月の分子"はルシフェラーゼ
a0057891_2384753.jpg
 PDB (Protein Data Bank)Molecule of the Month で、今月はルシフェラーゼが紹介されている。

*左の図は、PDB ID 2D1S を元に、David S. Goodsell によって描かれたゲンジボタル由来のルシフェラーゼの立体構造

 このルシフェラーゼは、ホタルの光(歌じゃないぞ)の元になるタンパク質だ。ルシフェラーゼが、ルシフェリンと呼ばれる発光物質(左の図で黄色く光っている物質)の化学反応を触媒することで、光が発生する(ホタルの発光メカニズム・ルミノールのメカニズムについて/株式会社ルミカ)。
# てっきり、GFPのようにタンパク質自身が光るもんだと、誤解していた・・・。

 ルシフェラーゼが発する色は、普通は黄緑色だけれども、ルシフェラーゼのたった一つのアミノ酸の種類を変えるだけで、この色を赤く変化させる事が出来る。これが初めて発見されたのは15年前なのだが、なんで色が変わるのかは、ずっと分からなかったらしい。

 で、結晶構造からその謎を明らかにした論文が、3月のNatureに掲載された。論文の著者は日本人で、Spring-8で結晶構造を解いたようだ。素晴らしい。

a0057891_22381264.gif

*画像は PDB ID 2D1S および 2D1T から作成した。

 論文の画像をそのまま使うのはマズそうなので、自分で画像を描いた(結構久しぶり)。上の図は、286番目と288番目のアミノ酸の位置関係を、野生型は緑、セリン→アスパラギンの変異タンパクは赤で示している(右側の黄緑色の分子は、発光物質のルシフェリン)。左側に表示されているアミノ酸(Ser/Asn286とラベル)をセリンからアスパラギンへと変えることによって、右側のイソロイシン(Ile288とラベル)の位置と向きが大きく変わっているのが分かる。これによって、ルシフェラーゼが発する光が黄緑から赤に変わるらしい。

----- 6/28 追記 -----
 上で、”位置と向きが大きく変わる”と書いてるが、数字で言うと、その変化は1.5 Åに過ぎない。今流行のナノテクなんかは、nm (ナノメートル) の単位で話をするが、タンパク質工学はさらにその1/10の単位 (1 Å = 0.1 nm) で話が進む。
----------------------

 全体からするとほんの一部分を変えただけなのに、見た目に大きな変化がある(場合がある)のが、タンパク質の面白いとこですわ。
[PR]
by fkmn | 2006-06-22 22:51 | ライフサイエンス
<< 【感想】技術空洞 Ensembl が v39 へ >>


とあるWebアプリケーションエンジニアの日記
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
ブログパーツ
リンク
検索
タグ
最新のトラックバック
プログラミングが「出来る..
from とりあえず9JP?
Genographic ..
from ナンジャモンジャ
ジュセリーノ
from ありの出来事
くちこみブログ集(ライフ..
from くちこみブログ集(ライフ)(..
以降、丁寧語で行こう!
from エッセイ的な何か
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

fkmnの最近読んだ本 フィードメーター - フッ君の日常 あわせて読みたい AX