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ミツバチも「覚悟はいいか? オレはできてる」と言っているに違いない
「日本のスズメバチvsヨーロッパのミツバチ」のムービー - GIGAZINE
3万匹もいるミツバチの巣がわずか数十匹のスズメバチに襲撃されて全滅する戦慄のムービーをどうぞ。


 上で紹介されている動画のミツバチはやられっぱなしだが、スズメバチに対抗する手段を持ったミツバチもいる。この動画を見て、数年前に或るシンポジウムで聞いた話を思い出した。


 襲ってくるスズメバチに対して、ミツバチはスズメバチを集団で取り囲み、熱殺するという対抗手段をとる(ニホンミツバチの集団防衛)。
オオスズメバチの攻撃に対する対抗手段として,ニホンミツバチは蜂球を作りオオスズメバチを熱殺するという戦術をとります.オオスズメバチが46℃で死亡するのに対して,ミツバチは48℃まで耐えられるというこの温度差を利用したもので,ニホンミツバチの巣の近くにオオスズメバチの死体が落ちているのをよく見かけます.

 もちろん、スズメバチに積極的に襲いかかり、自身の限界ぎりぎりまで体温を高める必要があるので、犠牲がゼロで済むわけではない。ミツバチにとっては大きな危険を伴う行動で、集団を守るための利他的な行動だと言える。ただ、このような行動をとるミツバチは集団の中でも一部の個体だけで、すべての個体が勇敢にスズメバチに立ち向かうわけではない。

 で、東大の研究チームが、攻撃性を見せる個体とそうでない個体の違いに興味を持って、両者の遺伝子発現の差異を調べたところ、攻撃性を見せる個体にだけ、あるRNAが存在している事が分かったらしい。そして、ここが一番面白いところなんだけど、そのRNAの由来を調べたところ、実はそのRNAは、ミツバチのゲノムDNAから転写されたものではなく、ミツバチに感染したウィルスのゲノム由来のものだということが分かったのだとか(Kakugo virus --東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻細胞生理化学研究室)。

 このウィルスを発見した研究チームは、ウィルスに"Kakugo"という名前をつけて、さらに詳細にウィルス感染とミツバチの攻撃行動の関連を研究中だ、というのがシンポジウムで聞いた話だった。いろんな意味でキャッチーな話だったので、よく覚えている。


 蛇足になるけど、Kakugoウィルスの話からさらに連想して、「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」の名ゼリフを思い出した。それがタイトルのセリフ。ミツバチとブチャラティの姿が妙に重なってしょうがない(笑)。
by fkmn | 2006-07-29 23:30 | ライフサイエンス
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