【感想】背信の科学者たち
a0057891_0593322.jpgAmazon.co.jp: 背信の科学者たち: 本: W. ブロード,N. ウェイド,牧野 賢治

 「論文捏造、データ改ざんはなぜ繰り返されるのか」という副題のついた本。

 ここ数年、論文捏造事件が相次いでいるため(*)、論文捏造は最近の科学に特徴的なものだという誤解をしていたけれど、本書にそれをはっきりと否定された。ガリレオ、ニュートン、メンデルといったいわゆる大科学者でさえも、その実験データには、そうとうに怪しい部分があるのだという。また、本書自体、原著(「Betrayers of the Truth」)が1983年の刊行であって、論文捏造がつい最近の問題ではないという事を物語っている。

 そして、一番ショックなのは、再三にわたって、「科学は欺瞞に対しては、(短期的には)ほとんど無力だ」という事が主張される点。
 予期は自己欺瞞を誘い出し、さらに自己欺瞞は他人に騙されやすい傾向へと導く。(中略)科学者の信じたいという気持ちが科学者自身をきわめて欺かれやすくする事を示した好例であろう。事実、プロの手品師は科学者の方がほかの人々より騙しやすいと述べており、これは科学者自身が自己の客観性を信頼しすぎている事によるのである。
p. 169


 僕自身、(一応)科学に関わりのある仕事をしていて、科学の可能性を信じないわけではない。けれど、本書の以下の主張は、心のどこかにとどめておきたい。
科学は現代における真理と価値の基本的な源として、不健全なまでに宗教に取って代わったのだ。
p. 307



* つい最近も、捏造事件がありましたね。残念な事です。
asahi.com: 大阪府立大院生が論文データを捏造 理想的な数値1千個 - サイエンス
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by fkmn | 2007-03-12 23:58 | 読書記録
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