【感想】ビッグバン宇宙論
ビッグバン宇宙論 (上)  ビッグバン宇宙論 (下)
Amazon.co.jp: ビッグバン宇宙論 (上): 本: サイモン・シン,青木 薫
Amazon.co.jp: ビッグバン宇宙論 (下): 本: サイモン・シン,青木 薫


 サイモン・シンの第3作。前2作に引き続いて、本書もとても読ませる内容だった。

 本書で取り扱われているのは、題名のとおり、ビッグバンとそこに至るまでの宇宙論の変遷について。第I章で、宇宙観が神話に基づいていた時代から、ギリシャ哲学者(ピタゴラスやエラトステネス)による宇宙観、天動説と地動説の対立と地動説が勝利するまでがさらりと流される。その後、相対性理論(第II章)、宇宙の膨張の発見(第III章)からビッグバンモデルと定常宇宙モデルの対立(第IV章)へと展開して、最後にビッグバンモデルの勝利(第V章)で完結する。

 感心したのは、分かりやすさ(取っ付きやすさ)の為の工夫がされているところ。例えば、各章の最後には、その章の内容が要約された「まとめ」のページがあるし、下巻の最後には用語集まである。「まとめ」は、この感想を書く場合にも便利だった(笑)。

 最新の宇宙論については、ほとんど触れられる事がないので(エピローグでインフレーション理論について触れる程度)、"マニア" な人にはちょっと物足りないかもしれない。けど、「科学」というものの性質を良く表すエピソードの数々に、僕自身には、かなり満足できる内容だった。

 これで、サイモン・シンは、数学と物理をテーマにした本を書いた事になる。ということで、今度は、化学か生物学をテーマにしたサイモン・シンの作品を読んでみたいと思うのは僕だけだろうか。本書の冒頭でも、「ビッグバン理論は、ダーウィンの自然選択説と同じように、基本的で重要かつ理解が容易だ」といった話が出てくるので、ぜひとも次は生物をテーマにした本を期待したいところ。


 最後に、おまけとして、本書の各部分に引用されている警句のうち、個人的に気に入ったものをメモっておきたい。

"物理学は宗教ではない。もし宗教だったなら、資金集めにこれほど苦労はしなかったろう。" - レオン・レーダーマン

"理論はもろくも崩れ去るが、優れた観測はけっして色あせない" - ハーロウ・シャプリー

"科学で耳にするもっとも胸躍る言葉、新発見の先触れとなるその言葉は、「ヘウレーカ!(私は発見した!)」ではなく「へんだぞ・・・」だ。" - アイザック・アシモフ
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by fkmn | 2008-01-09 23:55 | 読書記録
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