カテゴリ:読書記録( 67 )
【感想】詭弁論理学
a0057891_0172523.jpgAmazon.co.jp: 詭弁論理学: 本: 野崎 昭弘

 「詭弁」で「論理」で「学」なんてものものしいタイトルの本だけど、実際の内容は、議論を楽しむ「ゆとり」身につけようというスタンスの本。文体と題材の両方とも、適度に肩の力が抜けていて、読みやすかった。

 「強弁」「詭弁」にやり込められないためにも、この本でまとめられている事ぐらいは、頭に入れておこうと思う。ということで、要点のメモ。

 強弁術のまとめ
  1. 相手のいうことを聞くな。
  2. 自分の主張に確信を持て。
  3. 逆らうものは悪魔である(レッテルを利用せよ)。
  4. 自分のいいたいことを繰り返せ。
  5. おどし、泣き、またはしゃべりまくること。
このような主張のしかたが、強弁。


 詭弁を 使わせない/使わない ための「心構え」(下線部は僕)
【原則1】無理矢理説得しようとするな
   失言をして、かえって議論がもつれることがある。
【原則2】時間を惜しむな、打ち切るのを惜しむな。
   議論は、お互いの意見の一致を確認しながら勧めるのが良い。
【原則3】結論の吟味を忘れるな。
【原則4】「わからない」ことを恥じるな。
   「わからない」ことについては、簡単にだまされてしまう。「わからない」場合は「わかった」ところまで議論を戻す逞しさが重要。


 ちなみに、この本の中に、「小児病」という言葉が出てきて、もしかして「中二病」の語源ってこれ?って思ったら違った・・・。「中二病」は伊集院光が言い出した言葉らしい。
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by fkmn | 2006-11-29 23:55 | 読書記録
【感想】経済物理学の発見
a0057891_040548.jpgAmazon.co.jp: 経済物理学の発見: 本: 高安 秀樹

 先日読んだ「行動経済学」に続いて、経済ものをもう一丁。

 経済物理学は、その名のとおり、経済を物理学の観点から研究する学問分野。経済市場は、カオスやフラクタルで記述する事が出来、そこでは個々人がまるで分子のように振る舞う性質を見せるらしい。

 億や兆などといったオーダーのマクロ的な話が多く、個人の経済活動に焦点をあてた「行動経済学」とは対照的。数式での説明が多いので、その手のものにアレルギーがある人には取っ付きにくいかもしれない。

 ただ、この手の本(入門書 or 啓蒙書)にしては、若干著者の自分語りが強過ぎる気もした。けれど、その分、経済物理学の面白さみたいなものは伝わってくるので、これはこれで良いのかも。それから、6章と7章は特に経済物理学の話ではないので、ちょっと余分な気もする。

 と、ちょっと文句も入ったけど、とても面白い本だった。20世紀の生物学は、物理学と化学の言葉を得て大きく発展したわけだけど、それと同じ事が今の経済学に起こっているのかもしれない、と思ってみたり。
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by fkmn | 2006-11-21 23:15 | 読書記録
【感想】ローマ人への20の質問
a0057891_1113658.jpgAmazon.co.jp: ローマ人への20の質問: 本: 塩野 七生

 「ローマ人の物語」の著者 塩野 七生 さんによる、ローマ人に対する Q&A集という形式を取った本。質問するのは、ローマを知らない人ではなく、"ローマを知らない人の振りをした" 塩野さん。答えるのは、ローマ人ではなく、"ローマ人になりきった" 塩野さん。なんだか、自作自演の雰囲気を感じなくもない。

 本書を読んでいて感じてしまうのは、一言で言えば、「片手間」で書かれた感じとでも言えるだろうか? 「ローマ人の物語」を書きながら、余った時間で書きました、といった印象を、どうしても拭いきれない。そもそも、文章の中に敬体と常体が混じっているのは、物書きとしてどうなんだろうか?と神経を疑ってしまう。読みづらくてしょうがない。

 「ローマ人の物語」の副読本として読むのはいいけど、そうでなければ、あんまりお勧めできない本だと思う。「ローマ人の物語」ありきの本。
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by fkmn | 2006-11-17 23:08 | 読書記録
【感想】行動経済学 - 経済は「感情」で動いている -
a0057891_14385026.jpgAmazon.co.jp: 行動経済学 経済は「感情」で動いている: 本: 友野 典男

伊藤洋一のRound Up World Now !」の2006年9月29日放送分で紹介されていた本。以下は、出版社の紹介文章からの一部抜粋。
感情などに振り回されない、超合理的な経済人を扱う経済学は、どこか現実にそぐわない。
感情、直感、記憶など、心のはたらきを重視し、私たちの現実により即した経済学を再構築しようとする新しい学問、「行動経済学」の基礎を、詳しく解説。

 一言で言うと、「行動経済学」というのは、心理学と経済学を組み合わせたもの。「経済学に心理学のエッセンスを導入した」というものではなく、「心理学をベースとして経済行動を考えたもの」という印象を、この本を読んで受けた。

 自分自身がなんとなく感じていた事、もしくはそれ以上のものを、ズバズバと指摘されるので、読んでいて素直に楽しい。大学時代にバイトとして被験者になった心理学の実験が解説されていたり、しかもそのときの僕の行動が「行動経済学」的に解説されていて、"そうだったのか" と今になって膝を打ったり(笑)。

 「経済学」と聞くと、ついつい身構えてしまいがちだけど、この本は決してそんな事無く、気軽に読む事が出来る良い本だと思う。「経済」が身近になるお勧めの一冊。
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by fkmn | 2006-11-10 23:35 | 読書記録
【書評】ローマ人の物語 すべての道はローマに通ず
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Amazon.co.jp: ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉
Amazon.co.jp: ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉

 塩野七生のライフワーク「ローマ人の物語」。"小説家の描くローマ史" という体裁を取る本シリーズだが、この「すべての道はローマに通ず」では、歴史ではなく、インフラストラクチャという観点からローマ帝国を眺めている。この巻では、今までの「ローマ人の物語」で断片的に描かれてきたローマの優れたインフラ構築能力が、はっきりと描かれている。

 ただし、著者自身が「手に汗にぎるたぐいの快感は、今回は期待するな」と明言している通り、文章が今までの「ローマ人」に比べて、どこかたどたどしい印象を受けた。やはり、塩野さんの文章の味というのは、登場人物の心理を、塩野さん自身の印象や感動をアンプとして描き出す部分にあるのであって、ものとかシステム自体についての叙述はどうしても弱くなってしまうなぁ、というのが正直な感想。

 本書は、「ローマ人の物語」というシリーズからは、独立していると言ってもいいくらいなので、これから「ローマ人の物語」を読もうと思ってる人は、副読本として、まずこの「すべての道はローマに通ず」から読んでも良いし、これからヨーロッパに旅行に行こうとしている人が、予習がてらに読んでみるのも良いかもしれない。


 ちなみに、1992年から続いてきた本シリーズも12月下旬発売予定の第15巻「ローマ世界の終焉」をもって終了となるそうで、カウントダウンのサイトも作られている。愛着を持って読んできたシリーズが終わってしまうのは、寂しくもあるけど、早く最後まで読んでみたい気もあったりして、何とも言いがたい感じがする。
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by fkmn | 2006-10-30 23:12 | 読書記録
イノベーションのジレンマ—技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
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Amazon.co.jp: イノベーションのジレンマ—技術革新が巨大企業を滅ぼすとき: 本: クレイトン・クリステンセン,玉田 俊平太,伊豆原 弓


 結構前に読んだ本なんだけど、内容があまりにも良かったので、何となくビビってしまって、書評する機会を逃してしまったw。でも、書評を書かずにはいられない事も確かなので、思い切ってエントリーしてみる。

 ちなみに、この本は「Life is beautiful」さんのエントリー(図解、イノベーションのジレンマ)で知った。僕のエントリーよりも、こちらの方が、図解入りで分かりやすいかと思う。

 んで、以下からが書評。

 この本に書かれている内容を大雑把に要約すると、「成功した企業が崩壊する最大の原因は、その時点の最大の顧客の声に耳を傾ける(つまりは、企業として健全な経営を心がける)がために、市場に変革をもたらす "破壊的技術" への対応が遅れてしまうことである」となる。

 成功企業は、より収益を拡大するために、顧客の声を聞き入れて、従来の技術に対して "持続的イノベーション" を日々行う("持続的イノベーション" は "改善" と言い換えてもいいかもしれない)。しかし、そこに "破壊的技術" が現れる。"破壊的技術" は、登場した直後は顧客要件を満たすような性能を持ち合わせない。しかし、それが "持続的イノベーション" を積み重ねる事によって顧客要件を満たすようになると、マーケットは一気に "破壊的イノベーション" に移行するようになるのだ。

 ゲーム業界を例にすると、そのメインの市場は次のように遷移してきた事になる。

  アーケードゲーム → 据え置きゲーム機 → 携帯ゲーム機 (→ 携帯電話?)

 業界のメインマーケットが遷移してきた理由を、ユーザーの側から見ると、次のようになるだろう。

・アーケードゲーム → 据え置きゲーム機
「ゲームセンターのゲームは絵が綺麗だし、体感ゲームも迫力あるけど、いちいちゲームセンターまでいくのは面倒じゃない?最近は家庭用ゲーム機でも同じようなグラフィックのゲームがたくさんあるし、そっちの方がすぐ楽しめていいよね。」

・据え置きゲーム機 → 携帯ゲーム機
「家庭用ゲーム機には面白いゲームがいっぱいあるけど、いちいちテレビの前まで行って電源入れるのめんどくさくない? 携帯ゲーム機だったら電車の中でも遊べるよ。それに、最近の携帯ゲーム機はグラフィックも綺麗だよね。」


 僕は、この本を読んで、経済とかマーケティングとか、そういう類のものの見方が全く変わってしまった。商品にしろ、サービスにしろ、何かを作る職業に就いている人は、読んだ方が良い本である事は間違いない。
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by fkmn | 2006-10-03 23:02 | 読書記録
【感想】解剖男
a0057891_0113429.jpgAmazon.co.jp: 解剖男: 本: 遠藤 秀紀

 小飼 弾さんをして「大変な書き手」と言わしめた遠藤 秀紀さん(先生って呼んだ方がいいかな?)による著書。以前読んだ「人体 失敗の進化史」ではナリを潜めていた遠藤節が、本書では余すところなく炸裂している。

 その遠藤節の最たるものが、以下の一節じゃないだろうか。
毎朝、バイカルアザラシの眼球は、つねに私の脳裡に再現される。刺し込まれたメスの刃先に遺体の筋肉が返してくる抵抗の感触も、ピンセットがほぐしていく遺体の組織の軟らかさも、五感に投じられる遺体の訴えのすべてを、満員電車のなかで私は頭の芯に形作ることができる。
同じく朝の満員電車でこれを読んでいた僕は、ついついこの文章に引き込まれて、一駅乗り過ごしてしまったw(ちなみに、ギリギリで遅刻にはならなかったwww)。

 本書に限らず、遠藤さんの著作はアクが強くて、「奇書」と評されたりもしてるけど、ハマる人にはハマると思う。

 それから、著者自身も面白い。サルの頭蓋骨の山を前にほくそ笑む遠藤さんは、一般人の感覚からすると、"マッドサイエンティスト" と呼んでも差し支えない気がする。
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by fkmn | 2006-09-27 23:13 | 読書記録


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