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【感想】キャッチャー・イン・ザ・ライ
a0057891_1419076.jpgAmazon.co.jp: キャッチャー・イン・ザ・ライ: 本: J.D. サリンジャー,J.D. Salinger,村上 春樹


 J. D. Salinger の「The Catcher in the Rye」の村上春樹訳。ペーパーバック版が出ていたのを見つけたので、読んでみた。

 ストーリーらしいものは一切無い。主人公のホールデンが、高校を退学になってからの数日間の出来事を「君」に語るだけだ。ただし、語るといっても、世の中に対する皮肉や批判といった雰囲気が全体を占める。


 実は、僕は村上春樹の作品が好きではない。「ねじまき鳥クロニクル」や「海辺のカフカ」は読んだ事があるけれど、読んでいると頭がクラクラしてきて気持ち悪くなってしまうのだ。これはもう、彼の意見に賛成できないとかそういうレベルの問題ではなく、感性の問題だ。けど、この「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は、翻訳物なので大丈夫だろうと思って手を出してみたのだ。

 甘かった。作品と村上春樹の文体が見事にマッチしているのだ(原著を読んだ事が無いので、本当にマッチしているのかどうかは分からないが(注))。なので、やっぱり読んで気持ち悪くなった。

 ホールデンは、まさに若者らしい視点で世の中を見る。ただし、若者といっても"大人の作った社会に適応できない"若者という但し書きが付く。そして、彼は"社会"に"自分"を適応させようとも、"自分"に合わせて"社会"を作り変えようともしない。ただ毒づくだけだ。ほとんどポジティブな考えが出てこない彼の独白を、僕は好意的にはとらえる事が出来なかった。

 なぜこれが名作として現在まで読まれているのかが分からないが、1950年代の世の中には衝撃的な作品だったんだろうな、と考えて自分を納得させる事にしておく。


注、どうやら村上春樹は、そもそも「ライ麦畑でつかまえて」に影響を受けている作家らしい(松岡正剛の千夜千冊『ライ麦畑でつかまえて』J.D.サリンジャー
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by fkmn | 2006-07-08 15:10 | 日記
【感想】MOTHER3
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 C級コピーライター(笑)が作ったB級のゲームシステムとA級の演出のゲーム。マザー3はそんなゲーム。

 ゲームシステムには、特に目新しさは無い。教科書に出てきそうなオーソドックスなRPGだ。しかし、それが良い。ゲーム性にとらわれずに、純粋に「マザー」の世界観に浸る事が出来る。そう思えるくらいマザーの世界観は秀逸だし、現在のゲーム業界においては異質な存在だ。

 全体を通して語られるストーリーは、ひたすらに切ない。「大事な人の死」というものが、ストーリーの大きな部分を占めるからだ。

 でも、それ以上に、登場するキャラクターたちに、思わずクスリとさせられてしまう。世界の秘密を守るマジプシーと呼ばれる人たちが、どこからどう見てもオカマにしか見えなかったり(本人たちは女だと言い張っているがw)、オケラがビジネスに目覚めたり。そして、もちろん、 a0057891_1422535.gifa0057891_1423776.jpg
(*フォントと画像ははいふにさんから)

 普段ゲームをやらない人にも、お勧め(このゲームの CM で柴咲コウが泣いてたけど、たぶんアレはマジ泣きだと思う)。


 ちなみに、「もし、マザー3が当初の予定通り3Dのゲームで発売されていたら・・・」なんていう(妄想)画像が公開されてて、これがまた良い出来。元ネタのイラストもかなり良い。一見の価値あり。

*クリアまでの時間は、約18時間。携帯ゲーム機でやる分には、ちょうどいいボリュームだと思う。
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by fkmn | 2006-06-30 23:39 | ゲーム
【感想】技術空洞
a0057891_2325746.gifAmazon.co.jp:技術空洞 Lost Technical Capabilities


 元ソニー社員が書いたソニー批判本。VAIOの企画マンだったという立場から、ソニーの凋落の内実について暴露している。内容的には、既に出版されている「ソニー本社六階」「ソニー病」などの、いわゆるソニー本と比べて、目新しさが無いなどと言われているが、この手の本(ソニー本)を読むのが初めてな自分に取っては、割と新鮮な内容だった。

 「技術(もしくは技術者)を理解しない経営層が、ソニーを駄目にした」というのが筆者の主張。言い換えれば、部品の一つからすべてこだわりを持って作り上げる、モノ作りの精神が失われたからだと言う。

 この本でソニーに対して展開される批判は、日本のメーカーすべてに対しても当てはまるものかもしれない。技術立国などといいながら、日本の技術者に対する報酬は、事務系の人間と比べて別段高いレベルにあるわけではない(あまりに当たり前すぎて、誰も気にしていないが)。アメリカのシリコンバレーは、これとは明らかに状況が異なるらしい(On Off and Beyond: シリコンバレーの給与とストックオプション)。理系離れを止めよう、なんて言う暇があったら、まずここから改善するべきじゃないのか?

 ソフトウェア産業に至っては、この本で述べられているソニー失敗の理由を、まさに国レベルでなぞっているようにも思える。「日本では設計だけを行い、コーディングはすべて海外(主に中国)に発注しよう」というのが、ここ最近のシステム開発手法のトレンドだ。その方が人件費が安く上がるから、というのが主な理由だが、システム開発の一番基礎の部分を外に放り出してしまって、後に何が残るというのか?ただ単に魚を捕る事を考えるより、良い釣り竿を作る方が、後々の10年20年に繋がる戦略だと思うのだが・・・。


 ちなみに、ポイントだと思ったところ。
日本の職人技術を殺したISO9000 (p210-213)
日本のように、言語や文化が極度に均質化されている地域では、標準化というのはあまり意味をなさないという事。ISO9000に準拠する事で、かえって日本の職人技術が発揮されにくくなってしまったという事。確かに、今まで標準化については(大した考えも無く)賛成していたが、上記のような側面もある事を忘れてはいけないと思う。

 最後に、この「光文社ペーパーバックス」についてだけど、日本語の単語の脇に英単語を併記するのはやめて欲しい。読みづらくて difficult to read しょうがない(← こんな書き方されて、読みやすいと思う人間がいるとは思えない)。
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by fkmn | 2006-06-23 23:55 | 日記
【感想】Joel on Software
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Amazon.co.jp:Joel on Software

 この本は、著者の Joel Spolsky が、自身のブログ「Joel on Software」で書いたエントリーを一冊の本にまとめたものだ。だから、この本に書いてある事は、(英語だけれど)すべてWeb上で読む事が出来る。さらに、ブログの記事の一部は日本語訳までされている(本の内容が、そのまま訳されているわけではなさそう)。


 著者は、Microsoft で Excel の開発をしていた人間で、その開発経験に基づくソフトウェア開発の”コツ”は、とても現実的かつ実践的で、親近感すら感じられる。このような、Windows文化の人が書いた本というのは珍しいんじゃないだろうか?

 特に、”これは!”というものを挙げてみると、
第3章:ジョエルテスト
 今の自分のチームをこれで採点すると、5点。うーむ、まだまだ。自分は、マネージャーではないので、改善しようにも無理な部分はあるが(テスタを雇ったり、採用面接のやり方にまで口は出せないw)、プロセス改善のためのシンプルで分かりやすい指標だと思う(他の人にも説明しやすい)。

第4章:すべてのソフトウェア開発者が絶対確実に知っていなければならないUnicodeと キャラクタセットに関する最低限のこと(言い訳なし!)
 正直、これを読むまで Unicode を誤解してた・・・。1バイトで表現される Unicode(例えばUTF-8)もあるし、3バイト、4バイトで表現される事もアリだとのこと。”Unicode は2バイト”だと完全に思い込んでた。


 後半は、マネージメントやIT企業の戦略の話が多くなってきて、現在の自分にはあんまり関係なくなってくる。が、その分、より客観的に、自分の部署や上司に照らし合わせる事が出来て、面白い。Joel によると、うちの部署は、致命的な失敗を何個も犯してる事になるんだよなぁ(← 面白がっていいのか?)。
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by fkmn | 2006-06-18 22:30 | IT
【感想】ローマ人の物語 危機と克服
 読んだ本は、こまめに感想を書いていこうと思う。というわけで、日本対オーストラリア戦を見つつ。

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Amazon.co.jp:ローマ人の物語〈21〉危機と克服〈上〉新潮文庫: 本
Amazon.co.jp:ローマ人の物語〈22〉危機と克服(中)新潮文庫: 本
Amazon.co.jp:ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉新潮文庫: 本

 塩野七生のライフワーク「ローマ人の物語」。この巻で語られているのは、ネロが自殺してからトライアヌスが登位するまでの約30年間。しかし、この期間に皇帝はめまぐるしく変わり、皇帝に即位した人数は7人にもなる。

 これだけめまぐるしく皇帝が変わった背景には、ある意味で、ローマ帝国の健全性や先進性があるようにも思う。というのも、この時期のローマ帝国の皇帝というのは、確かに絶対的な権力を持ってはいるが、独裁者とは明らかに異なるからだ。ローマ皇帝は、建前上はローマ市民の”第一人者”であり、あくまで市民の代表という形を取っている。そして、元老院(議会)、市民、軍隊によるチェックを絶えず受ける。だから、駄目な皇帝はすぐに排除されてしまうのだ。

 しかも、ローマ皇帝は世襲ではない。初代皇帝アウグストゥスは、皇帝交代時の混乱を避けるために世襲による制度を定めるが、これも結局ネロの死によって途絶えてしまう。にもかかわらず、ローマの帝政は、以後数百年にわたって続くのだ。どうやら、ローマ帝国の人々にとっては、血統云々よりも、自分たちの生活の安全を確保してくれる事こそが皇帝に求めるものだったようだ。この意味で、ローマ人はこの上なく practical だったといえる。今のイタリア人からは、想像できないなw。

 
 しかし、今ワールドカップが開かれているドイツは、古代ローマの時代は、ローマとゲルマンが凌ぎを削る地だったわけで、ライン川なんかは、ローマが防衛上の最重要ラインとした川なわけである。それが現在では、日本人に対して「ライン川への飛び込み禁止」のお触れが出たりして、隔世の感を禁じ得ない。これも一つの歴史の楽しみ方、としてもいいのかな?



 終盤、バタバタと点を取られた日本。全体的にミスが目立った気がしたけど、やっぱ残念だなぁ。
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by fkmn | 2006-06-12 23:51 | 日記
【感想】ニュー・スーパーマリオブラザーズ
a0057891_225586.jpg とりあえず、全ステージをクリアしたところ。隠しゴールやスターコインはまだまだ。

 何よりも印象的なのが、初代スーパーマリオに対するリスペクトっぷり。操作は、基本的には十時キーとボタン二つだけ。ゴールするときはポールに飛びつき、条件を満たせばきちんと花火があがる。要はトンガリキッズのB-dashがしっくりくるってことだ(さすがに、コンセント抜かれたりする事はないけどw)。

 繰り返しになるけど、操作感はまさに”スーパーマリオブラザーズ”。しかも、初代の。ファミコンの”3”やスーパーファミコンの”スーパーマリオワールド”とはちょっと違うところを、うまく再現していると思う。難易度自体もそんなに難しくないので、いろんな人にお勧めできる逸品。

 ただ、一度クリアしたステージを二度やる気がしないのは、ゲームが変わったのやら、自分が変わったのやら。もしかしたら、これはセーブ機能のせいなのかな?自分がこれからやろうとするステージに、(自分が付けたものにしろ)既にクリアの印がついているせいで、あまりやる気がしないのかもしれない。

 ちなみに、通信機能を使って対戦も出来るんだけど、周りにDSを持ってる人がいないので、対戦が出来ません・・・。カナシス(´;ω;`)。マシン環境的にWi-Fiも使えないし、いまいちDSで遊びきれてないなぁ。
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by fkmn | 2006-06-11 22:20 | ゲーム


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