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【感想】技術空洞
![]() 元ソニー社員が書いたソニー批判本。VAIOの企画マンだったという立場から、ソニーの凋落の内実について暴露している。内容的には、既に出版されている「ソニー本社六階」や「ソニー病」などの、いわゆるソニー本と比べて、目新しさが無いなどと言われているが、この手の本(ソニー本)を読むのが初めてな自分に取っては、割と新鮮な内容だった。 「技術(もしくは技術者)を理解しない経営層が、ソニーを駄目にした」というのが筆者の主張。言い換えれば、部品の一つからすべてこだわりを持って作り上げる、モノ作りの精神が失われたからだと言う。 この本でソニーに対して展開される批判は、日本のメーカーすべてに対しても当てはまるものかもしれない。技術立国などといいながら、日本の技術者に対する報酬は、事務系の人間と比べて別段高いレベルにあるわけではない(あまりに当たり前すぎて、誰も気にしていないが)。アメリカのシリコンバレーは、これとは明らかに状況が異なるらしい(On Off and Beyond: シリコンバレーの給与とストックオプション)。理系離れを止めよう、なんて言う暇があったら、まずここから改善するべきじゃないのか? ソフトウェア産業に至っては、この本で述べられているソニー失敗の理由を、まさに国レベルでなぞっているようにも思える。「日本では設計だけを行い、コーディングはすべて海外(主に中国)に発注しよう」というのが、ここ最近のシステム開発手法のトレンドだ。その方が人件費が安く上がるから、というのが主な理由だが、システム開発の一番基礎の部分を外に放り出してしまって、後に何が残るというのか?ただ単に魚を捕る事を考えるより、良い釣り竿を作る方が、後々の10年20年に繋がる戦略だと思うのだが・・・。 ちなみに、ポイントだと思ったところ。 日本の職人技術を殺したISO9000 (p210-213)日本のように、言語や文化が極度に均質化されている地域では、標準化というのはあまり意味をなさないという事。ISO9000に準拠する事で、かえって日本の職人技術が発揮されにくくなってしまったという事。確かに、今まで標準化については(大した考えも無く)賛成していたが、上記のような側面もある事を忘れてはいけないと思う。 最後に、この「光文社ペーパーバックス」についてだけど、日本語の単語の脇に英単語を併記するのはやめて欲しい。読みづらくて difficult to read しょうがない(← こんな書き方されて、読みやすいと思う人間がいるとは思えない)。 ■
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by fkmn
| 2006-06-23 23:55
| 日記
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