【感想】ローマ人の物語 迷走する帝国
Amazon.co.jp: ローマ人の物語 (12) -迷走する帝国: 本: 塩野 七生 今後のローマ人の物語文庫版は1年に単行本版1巻分のペースでの出版、ということで、そんなペースに付き合ってられなくなって、図書館で単行本版を借りてきた。残すは、今回の「迷走する帝国」を含めて4巻分なので、最後まで一気に読んでしまうつもり。 ということで、第12巻の「迷走する帝国」の感想。 この巻で述べられるのは、五賢帝時代を終え、いわゆる「3世紀の危機」と呼ばれる時代の話。苦しんでいるローマ人の皆さんには申し訳ないが、安定した五賢帝時代よりも、こちらの3世紀の危機の時代の方が、読者としては面白い。 特筆すべきなのが、皇帝の入れ替わりの早さ。五賢帝時代は84年間で五人しかいなかった皇帝が、この時代は73年の間に22人の皇帝が入れ替わる。しかも、ほとんどが謀殺。皇帝がちょっと気に食わないとすぐに殺してしまう様子を見ていると、「皇帝の無駄遣い」タグでも張りたくなってくる。他にも、皇帝就任直後に老衰で死んだタキトゥスや、落雷で死んだカルスなど、この時期のローマは呪われていたんじゃないかという気にすらなってくる。 ただ、いろいろな皇帝が登場するだけあって、中には面白い皇帝もいたりする。個人的には、見習いの訓練中に勢い余って大隊長までなぎ倒したマクシミヌス・トラクスなんかがお気に入り。 他にも、帝国の三分割から再統合までの話も、なかなかに面白い。事態を収拾したアウレリアヌスの皇帝就任期間がもう少し長かったら、以後のローマも、もう少しどうにかなっていたような気がするのに、やっぱり謀殺されてしまう。ホントにもったいない。 この巻を読むと、安定した治世の為には、指導者層が安定していることが必要だということがわかる(逆に、世の中が安定しているから指導者層も安定する、とも言えるのかもしれないが)。日本も、一人の総理大臣に、もう少し長めの時間をやっても良いんじゃないかなぁ。
by fkmn
| 2007-10-29 23:55
| 読書記録
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